リセフェスタ東京雑感
お疲れ様です。小島です。
今回もリセフェスタ東京の上位レシピを見ての雑感を書いていこうと思います。
あくまでレシピを見た感想なので細部の思惑は違うかもしれませんがご容赦下さい。
優勝:楓月さん 雪単
見事優勝されたのは過去のリセフェスタでもほぼ毎回入賞している「楓月」さんの雪単でした。
《身代金誘拐事件ごっこ》が4枚フル投入されています。
旧リセを知っている方にとっては使い辛そうな印象を受けるカードですが、Lycee Overtureではハンドアドバンテージを得る手段が少ないため基本的に相手が手札を使って打点勝負を仕掛けてきたらこちらも手札を切らないと不利になっていくデザインになっています。
そのためこちらの展開次第で能動的に相手の手札枚数をある程度調節させることができ、見た目よりもこのカードの使用機会は多くなります。
そしてこのカードが最も輝くのはミラーマッチでの《アヴァロン》の処理でしょう。片側に生き残ると一方的な展開になりがちなこのキャラは、最も効率的な処理方法が《アヴァロン》からの《荊軻》であり、ミラーマッチがアヴァロンゲーかつ先出し不利と言われる原因になっています。
このレシピは《身代金誘拐事件ごっこ》をフル投入することによりミラーマッチのムラを少なくし、なおかつ他のデッキタイプにも有効な手段を確保しています。《アヴァロン》の能力は可能な限り使いたいので毎ターンキャラを展開してくることが多く、従って手札が圧迫され《身代金誘拐事件ごっこ》がよく刺さります。
結果を出したことにより今後はこのタイプのリストがメタゲームの中心になることと思います。
雪単は《ミョルニル》+DFフル展開のようなサブプランを合わせて強固なゲームプランを持つデッキなので、デッキの骨子から対策する必要がありそうです。
2位:ベルナルドさん 雪単
決勝は雪単ミラーマッチでした。
こちらのレシピは優勝レシピとは細部の構成が違っています。
EX1のイベント枠に《身代金誘拐事件ごっこ》に加えて《断罪》 が入っていて、より《アヴァロン》を処理しやすくなっています。さらに雪ミラーを意識した形と言えるでしょう。
《デジャヴ》は雪待望の2ハンドDMG3アタッカーで、低ステータスながら止めにくい能力を持っています。雪ミラーでは《ファントム・オブ・ジ・オペラ》で止められやすいのが玉に瑕ですが、いずれにせよ2ハンド交換と割り切っているのでしょう。SR《清姫》と非常に相性が良いのも評価点です。
戦績を見る限り雪以外にも問題無く勝てているので、余りに雪ミラーが頻発するようならこのようなレシピもいいかと思います。
3位:Hiruneさん 雪単
3位も雪単です。強いですね。
こちらのレシピは他の上位入賞レシピでは数を絞っている《風魔手裏剣》がフル投入されています。
破棄して2ダメージになる能力は終盤に輝きますが、DMG2を活かして《アヴァロン》で走り、止められたらSP3を活かして盤面を作るなど序盤から無駄になりません。
またEX1ながら1コストなので腐ったイベント除去を打点に還元でき、デッキ全体の方向性をまとめてくれるカードでもあります。
《ゲイボルグ=ゼロ》も優秀なDP4アタッカーとしてフル投入されており、骨太に打点を入れていく意思が感じられます。リストもシンプルなので入賞した雪単の中でも使いやすく自分のプレイスタイルでアレンジしていけそうです。
4位:えりんぎゃ〜さん 月単
フェスタ福岡に続き月単が入賞しました。
このレシピのキモは《主人公&リディ》まで入れてある軽量アタッカーの物量です。
DMG3の《クトネシリカ》《主人公&リディ》《クー・フーリン〔プロトタイプ〕》、そしてDMG2ながらEX2+SP2+キャラを合わせ辛い能力の《セイバートゥース》と序盤のダメージレースを支えるカードが揃っており、隆盛を誇る雪単に対して除去でテンポを取られにくいチョイスになっています。
下手に手札を使い切れば《アイスブランド》が手札を循環させながらDMG4で襲ってきて、中盤から終盤にかけては《バルムンク》や《クトネシリカ》のエンゲージ能力で打点得をしてきます。
エンゲージ能力が強い色なので《ロンギヌス》も少ない手札でエンゲージしつつアタッカーにしやすくなります。
ここまでしても雪に対しては微不利なようですが、DFキャラの堅さゆえ雪メタの軽量デッキには全て有利を取れうると思います。
5位:うしさん 月単
2人目の月単です。使用者数に比べて全体的な勝率が高いので、もう月単は十分にメタの一角と言えましょう。
こちらも4位の月単と大きな差はありませんが、《クトネシリカ》《バルムンク》が両方4ずつと序盤のうちから詰めの盤面をイメージしたプレイが推奨されるように見えます。
いずれにせよエンゲージを多用できるブレ×ブレらしいデッキです。
6位:ぎやさん 雪t日グラーシーザ
唯一入賞した混色デッキです。
《グラーシーザ》のコストとしてよく採用されている《主人公&リディ》に加えて《ブレイズドライブ》も2枚採用されています。これはDFに出すことも多い《ミョルニル》《ミストルテイン》を利用できる優秀な詰め手段でもあります。
《ミストルテイン》《グラーシーザ》のコンビは《ヘカトンケイル》から《セイブザクイーン》の3ドローで無理矢理揃えにいくこともできます。
除去要素もありますが基本的にはアグレッシブを絡めて雪単より積極的に打点を入れていくデッキであり、差別化できるとすればそこでしょう。
7位:さちゃさん
ブレ×ブレ環境になって登場した、デッキの半分近くが軽量アタッカーで占められている日単です。
2ハンドDMG3キャラをAF全展開すると雪の3ハンド除去が手札損となるため止めにくい攻勢になります。
中途半端に止めようとしても《スイートピーチ状態》で打点を通してくるかR《フランシス・ドレイク》をねじ込むかの2択をかけてきます。
対雪の急先鋒で、なおかつシングル相場が高いカードがほとんど入っていないため爆発的に流行ってもおかしくありません。
雪に加えて確実に対策しなければならない相手でしょう。
8位:づーやんさん 雪単
3位の雪単と似た構成のレシピです。
こちらは《身代金誘拐事件ごっこ》の代わりに《断罪》が4枚入っています。
日単を始めとした刺さらない相手には腐りやすいカードなので、4枚入った《風魔手裏剣》などのコストにすることも多いかと思います。
雪相手には逆に《風魔手裏剣》がそれほど強くないので、2枚セットでの運用が前提に組まれているのでしょう。
また、他のレシピでは余り見ませんが《マシュ・キリエライト》が3種12枚入っています。どれもAPが0ゆえに日単相手には《風魔手裏剣》のSP3と併せて打点をシャットアウトできそうです。
9位:秋雨さん 宙単
雪系デッキの海の中、入賞ライン唯一の宙デッキです。
流行りの《オーガニクス》型と違い、オーダーステップ持ちを中心とした前環境からよくあった形のデッキをアップデートしたものになります。
《アルテラ》は環境にDP4アタッカーが増えたことにより以前に増して要のキャラになっています。
《魔煉サンタクロス》《月天のミコト×魔刀ルナ》など単純に優秀なオーダーステップ持ちが増えたため、1ターン止めて打点得のパターンが以前より安定しています。
きっちり雪相手にも勝ってきているので環境的に逆風といえどポテンシャルは高いままでしょう。
10位:コアさん 雪単
5人目の雪単です。
レシピは癖の無いもので、非常に丸い印象を受けます。
《断罪》と《身代金誘拐事件ごっこ》が2枚ずつセパレートされていますがこれは個人差だと思います。
固めるキャラは少ないので、どんどん打点を入れていくタイプでしょう。
11位:シロタツさん 日単
最後の入賞者はリセオープン覇者のシロタツさんです。
7位の日単と比べるとこちらはSR《ネロ・クラウディウス》《霊獣姫アルビダ》や3ハンドの相打ちブロッカーが入っており、2ハンド戦略に加えて従来からあった1列からの多重攻撃も視野に入れた構成になっています。
また、1枚だけ入った《もちひつじ》がいいアクセントになっています。
《フレイムタン》が再登場して3点、攻撃した後のキャラが他所に行ってSR《ネロ・クラウディウス》が走り込むなど色々できるので予想していない相手は面喰らうことでしょう。
[Pick Up]ワラキアの昼さん 花単
惜しくも2敗ですが、2敗ライン以上で唯一の花単です。
基本的な形はFGO環境の頃と変わっていませんが、《レールガン=タブー》《ルールメイカー》などの新戦力が加わりました。
《レールガン=タブー》は条件さえ満たせば6打点になるキャラで、相討ちキャラの少ないデッキに対しては非常に強力です。
SR《エリザベート・バートリー》に加えてST《マシュ・キリエライト》で守るべきエースアタッカーになり得ます。
《ルールメイカー》は終盤の泥仕合を相手にとって絶望的なデッキ差に変えてくれます。一方的に2ドローさせ続けて詰みになる局面が多そうです。
機を見てAFに置きサポートを効かせつつ手札をデッキ差に変換し続ければ、妙な連続打点が飛んでこない限り逆転は難しいでしょう。
【総評】
最大勢力の雪単が入賞ラインに優勝を含め5人を送り出しました。これによりトップメタの地位は揺るぎなく、どのデッキも雪単をどう攻略するかを念頭に構築されることでしょう。
既に軽量型にシフトした日単など構造上雪に有利なデッキも勝っています。このようなポジションのデッキが増えれば他のデッキタイプにもチャンスが増えそうです。
以上、少々期間が空いてしまいましたがリセフェスタ東京の雑感でした。
次回はリセフェスタ大阪です。僕は出られませんが出場される方のご健闘をお祈りします。
それではまた。